ここしばらくヨメさんが原作読み返してます。
 この間の日曜日に連れて行かれた映画について。

■20世紀少年-本格科学冒険映画(★★★☆☆←※ただし原作を読んだ人向け)
★監督も言うとおり、色んな意味で原作に忠実なのが売り。
 ⇒ぶっちゃけそれだけで評価される映画かも。
  3日たったら「役者そっくりだったねー」という以外話題に出なくなった。
★「~ファンブック」みたいなノリでみるとすごく楽しめるだろう。
 ⇒「原作を違う表現で読み返して楽しんだ」というのがいまの印象。
★原作を読んだことのある人向け。
 ⇒逆に原作知らないとあまり楽しめないというかわけわからんと思います。

■おそらく。
「こんな原作、完全映画化なんてどー考えても無理だし!一般向けに作ったら駄作にしかならねーことくらいお前らにだってわかるだろ!!」という開き直りが見え隠れ。

おそらくこんな企画で作っているのではないかと。
・映画ファン向けじゃなく原作ファン向けとして対象を絞ろうよ。
 一応2000万部売れてんだし。
 原作読んでない奴ら?どうせ来ねーよ。"絶交"だ"絶交"。
・脚本は原作者、絵も原作に忠実に作っとこう。
 原作ファンを逆撫でしちゃいけないし「原作を壊すな!」みたいなアンチは勘弁。
 逆にいえば原作以上のことはしちゃだめってことだ。
・それだと何の特徴も無くなってしまうので、原作に出来ない実写部分の
 付加価値で大盤振る舞いして(つまりCG、役者、3部作で60億円、
 といった豪華さ部分で)ファンに喜んでもらおうぜ。

⇒でもこんな企画で60億って通るモンなんですか?

■ワキ役含めてキャストが豪華すぎて。
 役者が「笑えるほどに原作に似すぎ」なのは、原作を読んだことのある人しては嬉しい限りだろう。それぞれの俳優を選んだスタッフの手腕には頭が下がる。
でも「ちょいワキ」まで豪華な俳優たちのそれぞれが渾身の演技をした結果、後々重要になる人物や伏線となるエピソードが喰われてしまって全体の印象バランスが崩れている。竹中直人のどアップ、駄菓子屋の厚化粧な研ナオコやダブル佐野史郎の強烈なインパクトはやりすぎだ。

⇒ファンサービスとして素直に楽しむのが正解だろう。

■一応映画サイズになるよう脚本がいじられている。
「原作に忠実に作った」ので「色々はしょったダイジェスト版」になってしまったのは仕方あるまい。その代償として、原作を読んでいないとその背景が解りにくいところや、エピソードごとのつながりの悪い部分が多々。それぞれのエピソードは空気感やテンポや現実にありえない部分まで原作どおり。

⇒原作に忠実なのだ。そういう風に楽しもう。

■三部作の「序」としての作りは。
 豪華すぎる役者や原作に忠実にしすぎということもあろうが一般向けの3部作の一発目としては駄作の部類だ。一般向けなら、第一部は観客の頭に複数の時代にわたる舞台背景・複雑な人間関係・謎の数々を印象付けて「次回、請うご期待!」と、する部分だと思う。
 しかし原作を読んだ人にしか目を向けていないせいかそんな"些細"なところは華麗にスルーされている。だって狙いとする観客は、背景も人間関係も、誰が”ともだち”なのかもとっくのとうに判っているわけでそんな些細なところを一生懸命作りこんでも効果は薄い。
 巨人軍のごとく豪華な布陣。それ以上に何を望むというのだ???

⇒こういう作りはある意味正しいと思う。

■それでも第一部が一番面白いんじゃないかな、と思う。
 正直2部以降は加齢臭ただようおっさん臭いエピソードや漫画でしか成立しないようなトンデモエピソードが続くのであまり期待していない。

行くならしっかりと原作で予習してからにしよう。
でないと映画に"絶交"されちゃうからね。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索